ナラティブ セラピー。 ナラティブ・セラピーのアウトライン By マイケル・ホワイト(難解)

ナラティブの意味や使い方|医療/看護/福祉/心理学/ものがたり

ナラティブ セラピー

ナラティブ・セラピー Narrative Therapy 近年注目されているセラピーのための 技法にナラティブ・セラピーというものがあります。 思想的な背景にポストモダニズムおよび社会構成主義 Social Constructionism を持ちます。 ここでは、このナラティブ・セラピーについて、いろいろなセラピストの概念を引用することで、説明していき たいと思います。 まず始めに、「物語としての家族」の共著者、マイケル・ホワイトの説明を紹介します。 ご注意いただきたいのは、マイケル・ ホワイトの文章スタイルは英文でも特異であるうえ難解です。 これを翻訳してどの程度の意味を汲んでいただけるか自信がありませんが、ナラティブ・セラピー を学んでいくうえで必要であると思い掲載しました。 ナラティブ・セラピーのアウトライン By マイケル・ホワイト 1. ナラティブ・アプローチの中心は、人々の経験する人生に対しての各自の表出・表現 Expression に焦点を当てていくことである。 2. これらは、生活している世界について人々が経験を表出・表現したものであり、生きた経験へのすべての表出・表現は人々に解釈行動 interpretive acts を要求する。 3. 人々が世界における経験に意味を与えることが出来るのはこのような解釈行動を通じてである。 解釈行動は、人生に対する人々の経験を自分に対しても他人に対しても分別のあるものとする。 意味は経験の解釈以前には存在ない。 4. 経験に対する表出・表現は、意味や経験の基本単位となる。 人々の人生に対する表出・表現を考察すると、意味と経験は不可分のものである。 5. 経験を解釈する行為は、理解するための枠組みを供給している解釈の供給源にどれだけ人々が依存しているかによって変わりうる。 6. 表出・表現は人生の構成する。 表出・表現は人生が形作られるうえで、実際的な効果をもたらす。 意味の上にたって予測される。 文化的に決められた人生に対する知識や行動によって表出・表現は理解される。 ひとつは同様な経験をした時の背景を特定の経験に当てはめる事であり、ひとつは人の生活の中で起る特定の出来事を他の関係に照らし合わせててみることである。 8. 人々がそれぞれの人生を表出・表現によって形成し、それを再形成する様な場において、表出・表現は「学問」的な問題ではない。 表出・表現はいくつかの経 験の静的な生産物と考えることはできない。 表出・表現は人生の領域の地図ではなく、それが生きられているような人生の反映でもなく、世界の鏡でもなく、実 際に何が起っているかの外側にある人生に対する見方 perspectives でもない。 9. 物語が持つ構造は、日々の生活の中における人々に対する理解への基本的な枠組みを規定する。 特定の主題に従い、時間軸に応じて展開された次々の起る生活での出来事を人々がつなぎあわせる枠組みである。 10.直線上の因果関係は、物語が持つ枠組みの優勢的な特徴である? 出来事は線上の連続的なものとして取り入れられるため、それぞれの出来事は引き続いて起る出来事に対する可能性の基礎となる。 この説明によって起る出来事を予想可能なものとする。 人生の表層における行動を解読するにあたって、このような規定や手順を応用することによって、行動という現 象の「真実」を明らかにする。 再見直しと再生はオルタネーティブな現在を共通のテーマで結びつけ、過去の関連した経験とを結び合わせる。 これらはしばしば文化に存在する劣った知識や技術として受け取られている。 望み、気まぐれ、気分、ゴール、希望、意図、目的、動機、抱負、情熱、関心、価値観、信念、空想、コミットメン ト、気質などの概念の実施についてのことである。 人生を時間軸にそってストーリーを結び合わせていくことである。 目的、価値観、コミットメントを共通に持つテーマに沿って、人生間のストーリーを結び合わせていくことである。 メタテキスト meta-text の生産の活動とメタからメタテキストのテキスト texts that are meta to meta-texts についてである。 考 察 上 記のアウトラインをなかなか理解しにくいと思われるが、要点としては、クライアントが自分の人生に対して、どのような表出・表現 Expression を持っていくかを考察していきながら、その表現には収まりきれないストーリーに焦点を当てていくことである。 焦点となるストー リーは、「ユニークな結末」であり、既成に存在する個人の物語には当てはまらないものである。 このようなストーリーに対する探求? 語りそして語り直しを通 じて? オルタネーティブな物語を生みだし、その物語が新たな表出・表現、実行、そして再構築された個人の物語を産むとしている。 このようなコンセプトを持ちながら、どのようにして実際のセラピーに当てはめていくかについては、実践的な面接技法としては以下の書物が参考となる。 ウインスレイドとG. モンクの「新しいスクール・カウンセリング:学校におけるナラティヴ・アプローチ」 John Winslade金剛出版 2001-05 売り上げランキング : 580190 by ナラティヴ実践協働研究センター(NPACC)は、クラウドファンディングの支援を受けて、2019年3月に一般社団法人として、新しく発足しました。 4月6日に発足説明会を実施した後、オフィスの契約と準備、そして、ナラティヴ実践トレーニングコース、リスニング実践トレーニングコース、カウンセリングセッションのスタートなど、徐々にですが確実にその活動を前に進めています。 NPACCの提供するカウンセリングの詳細については、NPACCホームページ内の「カウンセリングを受ける」ページをご覧ください()。 カウンセリングセッション予約はナラティヴ実践協働研究センターのホームページに組み込んだ、予約システムからお申し込みいただけます。 予約システムページ:.

次の

ナラティブ・セラピーのアウトライン By マイケル・ホワイト(難解)

ナラティブ セラピー

> > 63- 多世代家族療法・ナラティブセラピー ここでは、家族療法の「(Bowen:ボーエン)」と、家族療法から始まった「(無知の姿勢)」をまとめます。 また、代表的な「」についてもまとめます。 多世代家族療法 多世代家族療法は、 Bowen,M ボーエン が体系化した家族システム論です。 治療目標を構成員の個別化と自立性の促進に置き、個人の「 自己分化(知性機能と情緒性機能の分化)」が十分達成されているかを重視します。 多世代家族療法は、「 ジェノグラム(家族の関係図)」などによって、家族代々の歴史や経験、当該家庭の発達の様態や家族間の関係性についての着目するアプローチです。 家族の関係性は、世代から世代と伝承されていくと考え、その伝承は 多世代伝達過程と呼ばれます。 ジェノグラムを活用し、多世代(3世代以上)の歴史的枠組みの中で家族を理解する。 家族ライフサイクルの視点を重視する。 過去の体験や歴史について触れるが、原因探しはしない。 家族をシステム的に理解する視点と、個人を理解する視点を持つ。 個人の自己分化を目指す。 個々人が個を確立することで問題や症状は解決されると考える。 介入では、家族の成員が家族の問題を意識化するように自覚を促します。 カウンセラーは家族の問題に巻き込まれないように中立的・客観的な態度であることが必要とされます。 また、カウンセラーが高度に自己分化した「モデル」となることで、家族の自己分化を促します。 自己分化: 自己分化とは、個人の「知性の機能」と「感情の機能」のバランスがとれて、調和していることを呼びます。 自己分化度が高いと、個人の個別性が確立され、他者との関係性もバランスが取れたものになるとされます。 一方、自己分化度が低いと、過度に感情的か、過度に知性的になります。 過度に感情的の場合は、他者との関係性を偏重し、融合的な関係になり、過度に知性的の場合は、個別性を偏重し、疎遠な関係となるとされます。 ナラティブセラピー ナラティブセラピーは、家族療法家であるWhite,M ホワイト らにより創始された心理療法です。 の発想を理論的基盤とした新しいアプローチであり、現在は家族療法の一つというよりも、独立した一つの療法と言えます。 ナラティブセラピーでは、事実と虚構が交錯したリアルな経験をその個人が意義付けするために「物語(ナラティブ)」にしたものに対して、働きかけます。 治療目標としては、心理療法の場におけるクライアントの語りの改訂や産出であり、語りの背景(仮説的な構成概念)は必ずしも必要とされません。 ナラティブセラピーの代表的な3つの方法をまとめます。 コラボレイティブアプローチ(アンダーソン・グリーシャン): 物語は、聞き手の姿勢によって方向づけられると考え、「 無知の姿勢」を重視します。 リフレクティングチーム(アンデルセン): セラピストは客観的な観察者という立場を放棄し、治療スタッフ間の会話を家族に観察者として聞かせることで、別の見方を知る機会を与える。 無知の姿勢: 「無知の姿勢」とは、「中立的な専門家としてでなく、専門知識に固執しない学習者」としてクライエントに関わっているカウンセラーの姿勢のことです。 カウンセラーは、専門知識に基づいてクライエントの経験を解釈するのではなく、クライエントに対しては無知であり、学ぶ立場としてクライエントを理解していく姿勢が求められます。 社会構成主義: 社会構成主義とは、「社会に存在する現実とは、個人から独立して存在するのではなく、会話を通じて現実と個人とが相互に影響を与え合う循環的な関係である」とする立場です。 現実というものは、現実は社会的かつ言語的に構成され、絶え間なく変化していく動的な過程であり、人々が解釈し、認識するにつれて、現実そのものが再生産されると考えます。 自明と考えられている事柄の実在性や、暗黙的な本質主義を疑う立場として展開されてきました。 科学性や客観的事実を重視する「エビデンス・ベースド・アプローチ」の反対にあるのが、「ナラティブ・アプローチ」とされることもあります。 家族療法の技法 家族療法の代表的な技法をまとめます。 技法 説明 逆説的介入 治療的ダブルバインド・症状処方 症状の治療とは矛盾するような介入を行うことで、いづれにしても「クライエントの自己統制ができたことになる」または「症状の軽減になる」の結果を得られることで治療につながる方法。 戦略学派による代表的な技法。 例)不眠のクライエントに「眠ってはいけない」という。 起きていたならば、自己統制ができたことになり、眠ってしまったら、不眠が解消されたことになる。 ジョイニング(Joining) セラピストが家族に加わり交流する方法。 構造学派の用いる技法であり、そのほか「エナクトメント」「メシメス」「トラッキング」という技法がある()。 リフレーミング 物事に対する視点のフレーム 枠組み を変えることで、意味づけを変える方法(肯定的意味づけ)。 例)妻の「夫の帰宅が毎日遅い」という(否定的な)発言に対して、「帰宅が遅い旦那さんの事を心配されているんですね」と応答する。 メタファ 家族が陥っている状況を、童話や逸話などを題材にして家族の理解を促す方法。 メタファという間接的な表現によって、家族自身が主体的に気づきを得ることにつながる。 ワンウェイ・ミラー 家族療法では、チームによって治療にあたるが、その時に「ワンウェイ・ミラー」、「インターフォン」、「VTR」を用いる。 ワンウェイミラー越しに面接を見ていたスーパーバイザーが、 面接中にカウンセラーにインターフォンで指示を出すこともある。 また、治療法として家族に治療スタッフ間の会話を聞かせたりする方法もある。 > 家族療法 >• 63- 多世代家族療法・ナラティブセラピー.

次の

物語療法(ナラティブ・セラピー)

ナラティブ セラピー

こんにちは!キャリアコンサルタントの金子めぐみです。 今回は、ナラティブアプローチについてお話していきます。 ナラティブとは「語り」のことで、その人が語るライフストーリーを聞き出してキャリアカウンセリングをおこなうのがわたしの学んだ「ナラティブキャリアカウンセリング」です。 わたしが勉強したテキストでは、米国のキャリア心理学者マーク・サビカスさんがナラティブキャリアカウンセリングを創り出して広めた人として紹介されていました。 ところが、試験勉強をすすめていると「ナラティブキャリアカウンセリング」についてはラリー・コクランさんが著者として本を出版されていることがわかりました。 「ナラティブキャリアカウンセリング」の創始者はサビカスさんなの?コクランさんなの? …と混乱しましたが、ラリー・コクランさんの書かれた「ナラティブキャリアカウンセリング」という本を購入してみるとマーク・サビカスさんが「序文」として本の内容をほめていて、う~ん…ますますわけわからない感じです。 マーク・サビカスさんは米国ノースイースタン・オハイオ大学で教えていて、ラリー・コクランさんはカナダのブリティッシュ・コロンビア大学で教授をしてらっしゃるようなので、アメリカではサビカスさんでカナダではコクランさんが第一人者ってことかしら?? それでは、ナラティブアプローチは誰が創始者なのかを調べていくと、1980年代後半に オーストラリアのマイケル・ホワイトとニュージーランドのデビッド・エプストンが提唱した新しいカウンセリング理論から「ナラティブセラピー」はスタートしてPTSD(心的外傷後ストレス障害)の治療に効果をあげ、家族療法のカウンセリングとしても広まっていったようです。 「クライエントの病理や問題は、クライエント自身が作り出した物語の結果であり、その物語に合わない認知や体験が否認されたり歪曲されたりすることにより生じる」と考え、クライエントのナラティブを促してその「意味」を変えていくことで問題が未来に与える「影響」を変えていくという方法で治癒を進めていきます。 ナラティブアプローチはセラピーから始まっていたのですね。 そして、わたしが学んだ キャリアカウンセリングだけでなく、看護や介護、そして近年ではビジネス分野でも注目されています。 なぜ今、ナラティブアプローチが注目されているのでしょうか? さあそれでは、ナラティブアプローチの世界へまいりましょう!! もくじ• ナラティブアプローチとは 1-1. ナラティブの意味とは ナラティブ(narrative)の意味は「語り」「物語」です。 よく動画について説明している語りを「ナレーション(narration)」といいますよね。 つづりが似ているので語源は同じじゃないかなと思います。 ナラティブアプローチというのは、その人の「語り」を促す方法といえるでしょう。 冒頭でご紹介したナラティブセラピーでは、クライエントの「語り」の中でホワイトさんが 「問題のしみ込んだ描写(problem-saturated-description)」、あるいは 「支配的物語(dominant story)」と呼んだ、 本人が思い込んでいるものの意味を変えていくことでそれらが与える影響も変化させていくという治癒方法でした。 さらに、問題を自分のこととして内在化させずに問題は問題として自分の外側にあるとして外在化させることも重要視されました。 キャリアカウンセリングでのナラティブアプローチでは、 語りを促すことで、その人のことをより深く知ることができるようになります。 キャリアカウンセリングではクライエントのことを深く理解すればするほど効果が上がりますから、ナラティブアプローチでクライエントを知ることはカウンセラーにとって役立ちます。 同時に、クラエアント側も自分を理解するためにナラティブは役立ちます。 カウンセラーやセラピストから適切な質問を投げかけられることで、 自分でも気づいていなかった自分自身や自分のライフテーマ、キャリアのテーマがわかったりするからです。 1-2. ストーリーとの違い ナラティブが物語だとしたら、ナラティブとストーリーはどう違うのでしょうか。 ストーリーは小説や映画、ドラマのように第三者がつくり出したものも含めますが、ナラティブは語る人本人の物語ということになります。 ビジネス分野でいう「ナラティブ」と「ストーリー」については、また後ほどご紹介していきますね。 わたしは試験のための勉強だけでは、「ライフストーリー」と「ナラティブ」の違いがまったくわかりませんでした。 とくに「ライフストーリー論」の方では、「語られる物語の一貫性」についてサビカスさんと同じようなことを違う言葉で書かれています。 そこで、一貫性とは、ライフストーリー・テクストを構成するパートが他のパートと、そして全体のテクストとどのような関係にあるか、さらに全体のテクストが、そのジャンルの テクストとして認められているかどうか、である。 ちょっとこの本の内容は難しくて眠くなっちゃう部分も多かったのですが、たぶん上の抜粋でいう 「パート」は 「小さなストーリー(マイクロナラティブ)」で、 「全体のテクスト」が 「大きなストーリー(マクロナラティブ)」だろうなあと思います。 セラピーならばなんらかの不具合や不調を治癒するため、キャリアカウンセリングならば職業生活を豊かにするため、というように 目的をもってある人のライフストーリーを聞き出すことがナラティブアプローチなのだろうなとわたしは思いました。 ナラティブアプローチの活用 2-1. キャリアコンサルティング キャリアコンサルティング、キャリアカウンセリングでのナラティブアプローチは、自分のキャリアテーマ(ライフテーマ)をみつけて未来への計画を立てられるようになることが目的です。 (このあと3章で実際に方法をご紹介しますね!) 今の仕事が嫌になったからといって転職し、転職後には満足できるかというと、そうとも限りません。 何度も転職を繰り返すことが自分のキャリアテーマに沿ったキャリアアップなら問題ないのですが、自分についての理解も足りず、職業についての理解も足りずにただ目の前の嫌なことから逃げているだけになってしまうと、結果的には本人もつらい状況が続いてしまうのではないかと思います。 ナラティブアプローチで自分はどんな職業人生を送りたいのか、または職業は収入のためと割り切ってワークライフバランスを上手にとって幸福になりたいのか、それならばそのためにはどんな職業なら納得できるのか… そういったことを理解することで、自分にとってもっとも幸福な職業を選ぶことができると思います。 わたしがキャリアコンサルタントになろうと決めたのは、女性のキャリア支援をしたかったからです。 女性には人生の中でたくさんの変化があります。 もちろん、女性でも仕事を中心としてキャリアを積んでいく人生も選べますし、結婚や出産などを経験する人生も選べます。 たくさんの選択肢があるからこそ余計に悩みもあるように感じますし、何かの思い込みのようなブロックのおかげで幸福な選択肢をはじめから無視している人もいるように感じます。 ひとりひとりが自分のこれまでの物語を語ってくれることで見えてくるものが必ずありますし、自分の職業選択にそれを活かさないと幸福になることが難しいのかもしれないと感じています。 2-2. 看護や介護 看護や介護の世界でも、ナラティブアプローチは知られています。 患者さんや介護の対象者さん本人が、自分の病状や症状をどんなふうにとらえているかを知ることは看護や介護に役立ちます。 たとえば、 「私は若いころからずっとタバコを吸っていて、健康には無頓着だった。 そのために今は冬になると息が苦しくなる」 と考えている患者さんと 「私は若いころから適度な運動をしていてタバコも吸わず、健康には気をつけてきた。 それなのに冬になると息が苦しくなる」 と考えている患者さんに対して 症状が同じだからとまったく同じ看護をするよりも、患者さんのナラティブを聴いておいた方がより良い看護ができますよね。 さらに、病状や症状のことではなくてもその人のライフストーリーをある程度でも知っているか知らないかで看護や介護は違うものになると思います。 実際に、看護や介護の世界はとても忙しくて厳しそうなので現場を知らないわたしがここでいっても理想論のようになってしまうのかもしれませんが、患者さんのナラティブを活かせたらいいのだろうなと感じます。 2-3. ビジネス ビジネス分野でもナラティブアプローチという言葉がつかわれるようになっています。 もともとビジネスでは、「ストーリーを売る」「ストーリーが必要」と言われてきました。 ブランドクリエイターの中江翔吾さんのこちらの記事がとてもわかりやすいのでご紹介しておきます。 ビジネスの世界で語られるストーリーは、販売する側の商品やサービス、それを提供している人にまつわるストーリーで、それに共感してもらうことが目的でした。 そして、最近では販売側のストーリーよりも顧客側のナラティブに視点を移していく手法が注目されているのですね。 あなたのナラティブがこんなテーマなら、この商品(サービス)はこんなふうにあなたの人生をより良くします というように顧客に訴えかけることができるということです。 顧客一人一人のナラティブは違うのですが、 たとえばインターネットサイトで同じキーワードを検索して集まってくる人のライフテーマは似ているのかもしれません。 テレビのように大衆全体に向けて広告する場合には、販売側のストーリーをハッキリ打ち出して共感を求めるしかなかったのかもしれませんが、今はネット上の情報によってライフストーリー(ナラティブ)が似ている、 ライフテーマが似ている人に対して訴えることができる時代になったからかもしれないなあとわたしは思います。 2-4. 社会学 社会学の世界では、日本ではナラティブという言葉はつかわれずライフストーリーといわれてきましたが、昔から「その人個人の話を聞きだす」ことがされてきました。 最近では「語り」という意味でのナラティブという言葉も積極的につかわれているようです。 ライフストーリーを収集し、それを分析することによって、その地域の特性がわかったり世代別の考え方の特徴がわかったりします。 同じ一人の人のナラティブも、切り口を変えれば様々な分析ができるのですね。 ナラティブアプローチでライフテーマ(キャリアテーマ)をみつけよう 冒頭でお話したように、米国のキャリア心理学会でマーク・サビカスさんがナラティブキャリアカウンセリングの第一人者とされているのですが(コクランさんなのかなあ・笑)、 「ナラティブキャリアカウンセリングの進め方」として3回のカウンセリングで締めくくる方法が試験にも出題されるほどきちんとした手順を確立されています。 サビカスさんのナラティブキャリアカウンセリングはキャリアカウンセラー(キャリアコンサルタント)がおこなうものですが、 自分自身でやってみてもある程度は自分をみつめなおすことができるスキルだと思います。 わたしなりに 「自分でできるナラティブキャリアカウンセリング」をまとめてみたので、よかったらお試しください。 あなたが自分を俯瞰して理解することができたり、やりたい仕事がみつかったりしたら嬉しいです。 それでは、紙とペン(もしくはパソコンのキーボード)を用意してはじめてみましょう! 3-1. サビカスさんの5つの質問 サビカスさんのナラティブキャリアカウンセリングでクライエントが尋ねられる5つの質問をご紹介します。 わたしはスクーリングのときに生徒同士でこの5つの質問を書き出してお互いにカウンセリングしあったのですが、 わたしは自分が気づかなかった「正義感」をみつけることができて「自分にそんな正義感があったのか!」と、ちょっと驚きました。 これまでにしてきた、自分の伝記的ワーク(自己について語るストーリー)をサビカスさんは「ナラティブアイデンティティ」と呼んでいます。 ここまで真面目に取り組んでもらえたら、きっと自分でも知らなかった意外な面を発見できているのではないでしょうか。 「自分とは何者か」という考えが今までとは違う印象になっているかもしれませんね。 そして、あなたの小さなストーリーに出てくる「暗黙のパターン」が見えてくれば、それが職業生活における一貫したテーマである「キャリアテーマ(ライフテーマということもあります)」となるのです。 それを元に、自分を幸せにするための未来のストーリーを思い描いてください。 あなたの今の職業では叶わないとしたら、どんな職業に就けばあなたの人生がより幸福に豊かになれるでしょうか。 個人の物語を活用するナラティブアプローチ わたしは、ナラティブという概念を知ったのがキャリアコンサルタントになるための勉強中でしたが、その人が自分について語るナラティブを活用する方法がいろいろあるということがわかりました。 これから学んで書いてみたい記事のテーマに「承認欲求」や「自己顕示欲」があるのですが、誰もが多かれ少なかれ自分のことを「認めてほしい、知ってほしい」と思っているはずです。 だとしたら、 「語る」ということですでにある意味満足感を伴うのですから、どんな分野においてでもクライエントのナラティブはとても有効に活かすことができるのだと思いました。 わたしの身近な人でわたしが個人的に憧れている素敵な女性がいるのですが、なぜ彼女はあれほど人に好かれ、信頼されているのかがわかったような気がしました。 それは、彼女は日常の中で相手のナラティブに耳を傾け、うながしているからなのですね。 彼女のコミュニケーション能力はたとえ 仕事で知り合ったとしても相手の私生活について尋ねること(ナラティブをうながすこと)で成り立っているのだとわかった気がします。 詳しくはこちらの記事に書いてありますので興味のある方はどうぞ! たしか神田昌典さん、中谷彰宏さんの本でふたりともおっしゃっていたのが 「こういうことをやってみると効果がありますよ」 と紹介しても、 実際に行動するのは読者の5%程度だということ。 読んで心が動けばなんでもやってみたり みのもんたが紹介すると(古いですね・笑)買いに行ったりする単純なわたしからすると 「へえ、そんなに少ないの?」 と思いましたが、「そういえば、わたしも読んだだけで何もしないこともあるなあ」とも思ったことを覚えています。 ナラティブアプローチを記事で紹介しようと決めたとき、 「サビカスさんのナラティブキャリアカウンセリングって自分でもできないかな?」 「カウンセリングよりはもちろん効果はなかったり面倒だったりするかもしれないけど、自分でもできるのでは?」 と思って、 セルフカウンセリングの本などを参考にサビカスさんの手順をわたしなりにご紹介しました。 わたし自身が定期的に「書き出す」をしているのはパッションテストという方法なのですが、自分の気持ちを箇条書きで書き出すだけでもけっこうな時間がかかります。 箇条書きのパッションテストですらたぶん5%の人もやってみることがないとしたら、ナラティブキャリアカウンセリングなんて、もっとやらないだろうなあ…(泣) いえいえ、あなたを責めるつもりはありません。 それぞれに忙しい日々を送っていて、なかなか自分と向き合う時間をつくるのは大変だということは、過去の自分がそうでしたからよくわかります。 それに「書き出す」ってけっこうめんどうですものね。 それでも、 たとえ実践する人がこの記事の読者の5%でも1%でも、 わたしはあなたに 自分と向き合う時間 を取ることの大切さを伝えていきます。 だって、そのほうが確実に幸せになれるから。 幸せになれることがわかっているのに、 しないなんてもったいないです。 ひとりですることが難しいことってありますよね。 たとえば、最近ではスポーツのパーソナルトレーニングが人気です。 それは、自分ひとりでジム通いを続けることが難しいと感じた人が パーソナルトレーナーをつければ頑張れるとわかったからですよね。 歯医者さんのように予約してしまえば、 行かないという選択をしにくくなりますから。 自分と向き合う時間をつくることも同じです。 自分ひとりでそんな時間がつくれずにいるなら ぜひお好みのカウンセラーやセラピスト、 コーチやコンサルタントをみつけて 予約を入れてほしいと思います。 ただしくれぐれも、間違えた人を選ばないでくださいね。 いつかあなたがそんな相手を探すときに わたしの記事を思い出して ここに来てくれたらいいなと思いながら 毎日こつこつ勉強して記事を書いています。 長い記事を読んでいただき、ありがとうございました!! また別の記事でお目にかかりましょう。

次の