俺 の 心 の ヤバ いや つ。 僕の心のヤバイやつ

俺のビカクシダ

俺 の 心 の ヤバ いや つ

目が覚め、俺は前世の記憶を取り戻した。 慌ててベッドから飛び起き、鏡の前へ向かう。 「デブすぎるだろ、俺」 黒金の色が入り乱れた髪を持つ裕福そうなデブ、いや豚だ。 けど、俺はこの顔を前世から知っていた。 大人気アニメ「シューヤ・マリオネット」に出てくる嫌われ者の顔だからだ。 シューヤ・マリオネットは火魔法の才に恵まれた男爵家の少年が魔法学園に入学し、見下されながらも様々な女の子と仲良くなり、彼女達が持つ悩みや他国との争いを解決していくアニメだ。 そして、そんな主人公を見下す嫌われ者が俺だ。 公爵家の三男、豚公爵ことスロウ・デニング。 人を見下す、家柄を鼻にかける、デブ、リアルオークなど様々なヘイト要素を持ち、最終的には国を追放される男の子。 そんな悲惨な未来が豚公爵には待っている。 「やっぱりデブだなあ」 さらにはこの男、密かに思いを寄せていた従者も主人公のハーレムの一員になるという不遇っぷり。 親からも最後には橋から拾ってきた他人の子だから関係無いと言われる哀れなデブ。 「もうリアルオークだろこれ」 そんなことを思っていると、部屋の扉がコンコンとノックされた。 「スロウ様、起きていますか? 朝食をお持ちしました」 従者、シャーロット。 俺が所属するクルッシュ魔法学校の学生は朝は食堂へ朝食を食べに行かないといけないのだが、俺は家柄を存分に使って豪勢な朝食を自室で食べているのだ。 「起きてるよ。 入ってきてくれ、シャーロット」 肩まで伸びたシルバーヘアーは艶やかで。 雪の女神のように凛としているシャーロットから溢れ出る高貴さは従者という身分を超えている。 けれどそれもそうだろう。 シャーロットは秘密にしているが、実は彼女は滅亡した他国の 王女様 ( プリンセス )なのだ。 「準備致しますので少しお待ちください」 そう、このシャーロットこそが主人公に奪われてしまう従者なのだ。 しかし、アニメを見ていた視聴者からは豚公爵がシャーロットと結ばれて欲しいと思っていた人も少なく無い。 かくいう俺もその内の一人である。 「……うん」 シャーロットが公爵家であるデニング家に拾われたのは、シャーロットと豚公爵が6歳の頃に遡る。 デニング公爵領地の中の森で奴隷として売られかけていたシャーロットを豚公爵が助けたのだ。 小さい頃はシャーロットも豚公爵に対し恩義を持っていたが、帝国との戦争を境にどんどん思いは豚公爵から離れていく。 そして魔法学園二年生の冬。 アニメ版主人公に危ない場面を命からがら助けられ、シャーロットはハーレムの一員として堕ちてしまったのである。 豚公爵もシャーロットが主人公に惹かれていることに気づき、色々と頑張ったのだが時既に遅し。 やることなすこと全てが空回りに終わり、笑いものになる始末だ。 こんな最悪な豚公爵であるが、アニメ「シューヤ・マリオネット」の人気ランキングでは圧倒的な人気で一位を独走している。 その理由は三つある。 一つ目は単純にアニメ版主人公の人気が無いから。 お前にハーレムは相応しくない! といった妬みである。 大人気アニメ「シューヤ・マリオネット」に出てくる女の子達は皆可愛いのだ。 仕方ないね。 「スロウ様。 お食事の用意が出来ました。 スープは熱いかもしれないのでよくフーフーしてください」 二つ目は豚公爵の不遇ぶりから。 裏設定では豚公爵はシャーロットが滅亡した他国の王女であることを知っていたとされているのだ。 豚公爵は帝国に狙われているシャーロットを守るためにアニメの裏側で様々な国の刺客たちと日夜戦っていたのだ。 しかしその功績を誰にも告げず、美味しいところはアニメ版主人公に持っていかれる可哀想なヤツ。 さらにアニメの中では豚公爵はシャーロットへの恋心を最後まで明らかにしなかった。 嫌われ豚公爵は晩年、魔法奴隷として死ぬ間際シャーロットと呟いて死んだらしい。 そんな悲哀が視聴者に受けているのだ。 そして、豚公爵が人気のあるもう一つの理由。 それは。 「……シャーロット。 いつもありがとうぶひよ」 「え」 シャーロットは俺の言葉に心底ビックリしたようだった。 ビックリしすぎて持っていた紅茶セットを落とし、ガシャンと甲高い音が立てられた。 「ご、ごめんなさいスロウ様っ」 「いや、気にしないでくれ」 慌てて割れた破片を拾い集めようとするシャーロットが驚いて、俺を見た。 赤い絨毯の上で割れた破片がふわふわと浮き、華麗な踊りを披露している。 季節は暑い夏。 豚公爵は、いや俺は16歳。 クルッシュ魔法学園に入学して一年が立ち、既に俺の悪評は学内に留まらず他国にまで知れ渡っていた。 けれど、そんなことどうだっていい。 「シャーロット。 今更だけど……おはよう」 俺の従者、シャーロット。 いや、滅亡した皇国の お姫様 ( プリンセス )シャーロット・リリィ・ヒュージャック。 「お、おはようございます。 スロウ様」 ぺこりと頭を下げる君を目にして。 アニメの中では成し遂げられなかったけど。 俺は君に相応しい男になるよと、心の中で固く誓った。

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Re:ゼロから始める異世界生活18話「ゼロから」見たので感想書きます。 個人的に印象に残ったのはこの11個• パック激おこ「契約に従い、ボクはこれからこの国を滅ぼす」• 白鯨:(別名暴食)を連れてきた怠惰なスバル• レムとの結婚失敗。 半端な気持ちは受け取らないレムさんマジ天使• レムのもじもじがかわいい。 スバルとの子作りを妄想• レムが望むのは笑って未来の話をするスバル• レムは知っています3連発がちょっとだけ怖い。 スバルのキレ芸にもまったくひるまず思いを伝える• レムがスバルの好きなところ6種を理由つきで伝える• レムが天使、いや神様のようだ• 死に際でも言わなかった言葉「レムはスバル君を愛しています」• レムをふるスバルは傲慢?「やっぱ俺エミリアが好き」• ナツキスバル、覚醒準備完了 1個ずつ取り上げて感想書きたいと思います。 この記事はRe:ゼロから始める異世界生活18話「ゼロから」のネタバレを含みます。 精霊術師にとって、結ばれた約束がどれほど重たいものか、君は理解が足りないらしい。 2つめはリアのお願いを無視して戻ってきた事。 そして3つ目はリアを死なせた事だ」 「 契約に従い、ボクはこれからこの国を滅ぼす。 リアは…エミリアはボクの存在理由全部だ。 あの子がいない世界に僕がいる意味がない」 存在理由全部って、パックにとってエミリアって一体何?我が娘って言ってたと思うけど…本当に娘なのか? どんな契約があったのかはわからないがエミリアがしんだら国を滅ぼすって大精霊の考える事はとんでもない。 白鯨:(別名暴食)を連れてきた怠惰なスバル 「 霧が出てきたか。 死ぬ前に、厄介な奴を呼び寄せてくれたみたいだね」 「 暴食……ああ、今は白鯨だなんて呼ばれ方か。 あれを呼びおこし、リアを死なせて、自分も命を落として……本当に、どうしようもないんだな、君」 「 怠惰だね、スバル」 パックが「怠惰」っていうセリフを吐くなんて…リゼロは怠惰が流行ってるなあ 白鯨を魔女の臭いで呼び起こしたのがスバルって事なのかな?怪物を呼び寄せるなんてスバルはポケモンGOのおこう効果をもってるようだ レムとの結婚失敗。 半端な気持ちは受け取らないレムさんマジ天使 「俺と一緒に、逃げよう。 どこまでも」 「王都にいても、俺はなにもできない。 だからって、屋敷に戻ったって無力さは変わらない。 それが、わかったんだよ、だから俺と逃げよう、レム」 「俺か、俺以外か…選んでくれ 竜車を手に入れて、西へ向かおう。 ルグニカを出て、ずっと西……カララギだったか? そこで、小さな家でも買って二人で暮らすんだ。 辛い事があってもおまえがいればきっと頑張れる誰かが家で笑顔でまっててくれるだけで、どれだけ疲れてもレムが待っててくれるって思えば、きっと…」 「 俺を選んでくれ!俺を選んでくれれば俺の全てはおまえに捧げる…だから俺と逃げよう。 俺と生きてくれ」 「 スバル君…レムはスバル君と逃げる事はできません。 」 「 だって未来のお話は笑いながらじゃなきゃダメなんですよ」 エミリアを見捨ててレムと暮らすルートへ変更するスバル。 そんなスバルのプロポーズを現実から逃れるための苦し紛れだって見抜いたレム、愛している人からプロポーズされたらめちゃくちゃ嬉しいはずなのにレムは若いのにしっかりしていらっしゃる。 レムのもじもじがかわいい。 スバルとの子作りを妄想 「 仕事が軌道に乗ったら…その、恥ずかしいですけど…子ども、とか。 鬼と人のハーフになるので、きっと腕白な子が生まれます。 男の子でも女の子でも、双子でも三つ子でも可愛い子になりますよ」 「 きっと楽しいことばかりじゃないですし、こんなに想像通りにうまくいくことばかりじゃないと思います。 男の子が産まれずに、女の子ばっかりが続いてしまってスバルくんが家庭内で肩身が狭くなることもあるかもしれません」 スバルと結婚した場合の子どもの話をもじもじしながら話すレムがかわいい。 この感じだと普段から相当妄想してるね。 仕事を軌道に乗せてから子どもを作ろうと考えてるレムしっかりしてる。 良い嫁になりそうだ。 レムが望むのは笑って未来の話をするスバル 「 スバルくんが笑って、その未来を望んでくれるなら……レムはそうやって死んでも良かったと本気で思います」 「 スバルくんと生きていけるなら……スバルくんが、逃げようと思った時、レムと一緒にいたいと思ってくれたことが、今は心の底から嬉しい。 でも、ダメなんですだってきっと、今、一緒に逃げてしまったら……レムが一番好きなスバルくんを置き去りにしてしまうような気がしますから」 レムが好きなのは諦めないスバル。 可能性が低くても必死にもがくスバルなんでしょうね。 諦めず必死にもがき悲惨な結末を体験し、その結果せめてレムだけでも救おうとして諦める結果をだしたって伝える事ができないのはけっこう辛い。 レムは知っています3連発がちょっとだけ怖い。 スバルのキレ芸にもまったくひるまず思いを伝える 「 諦めるのは簡単です。 でもスバル君には似合わない」 「 スバルくんがどんなに辛い思いをしたのか、なにを知ってそんなに苦しんでいるのか、レムにはわかりません。 わかります、なんて軽はずみに言ってはいけないとも思います。 でも、それでも、レムにだってわかっていることがあります。 スバルくんは、途中でなにかを諦めるなんて、できない人だってことです」 「 レムは知っています スバルくんは未来を望むとき、その未来を笑って話せる人だって知っています」 「 レムは知っています。 スバルくんが未来を、諦められない人だって、知っています」 「 違いません。 スバルくんはみんなを……エミリア様も、姉様も、ロズワール様やベアトリス様。 他の人のことも、諦めてなんかいないはずです」 「 諦めた、諦めたよ。 全部拾うなんてどだい無理なことだった……俺の掌は小さくて、全部こぼれ落ちて、なにも残らない…」 「 いいえ、そんなことはありません。 スバルくんには…」 「 お前に俺のなにが!お前に俺のなにがわかるって言うんだ!?」 「 俺はこの程度の男なんだよ! 力なんてないのに望みは高くて、知恵もないくせに夢ばかり見てて、できることなんてないのに無駄に足掻いて!」 「 俺は…俺は、俺が大嫌いだよ!!」 「 しょうがないって言いたい!仕方がないって言われたい!ただそれだけのために、俺はああやって体を張ってるようなふりをしてたんだ!お前を付き合わせて勉強してたのだって、その罰の悪さを誤魔化すためのポーズだったんだよ! 俺の根っこは、自分可愛さで人の目ばっかり気にしてるような、小さくて卑怯で薄汚い俺の根っこはなにも…なにも、変わらねえ」 「 …本当は、わかってたさ。 全部、俺が悪いんだってことぐらい」 「 俺は、最低だ。 …俺は、俺が大嫌いだよ」 「 レムは知っています。 スバルくんがどんなに先の見えない暗闇の中でも、手を伸ばしてくれる勇気がある人だってことを」 スバルは自分の醜さをちゃんと理解してるんですね。 そんな醜い部分をさらけ出したらあとは覚醒するのみ!期待してます。 あと、ちょっとだけですがスバルのキレ芸にもまったくひるまず「レムは知っています」を繰り返すレムが機械的で怖かった。 レムがスバルの好きなところ6種を理由つきで伝える 「 スバルくんに、頭を撫でられるのが好きです。 掌と髪の毛を通して、スバルくんと通じ合っている気がするんです」 「 スバルくんの声が好きです。 言葉ひとつ聞くたびに、心が温かくなるのを感じるんです。 スバルくんの目が好きです。 普段は鋭いんですけど、誰かに優しくしようとしているとき、柔らかくなるその目が好きです」 「 スバルくんの指が好きです。 男の子なのに綺麗な指をしていて、でも握るとやっぱり男の子なんだって思わせてくれる、強くて細い指なんです。 」 「 スバルくんの歩き方が好きです。 一緒に隣を歩いていると、たまにちゃんとついてきているか確かめるみたいに振り向いてくれる、そんな歩き方が好きです」 「 スバルくんの寝顔が好きです。 赤ん坊みたいに無防備で、まつ毛なんかちょっと長くて。 頬に触れると穏やかになって、悪戯で唇に触れても気付かなくって……すごく胸が痛くなって、好きです」 「 スバルくんが自分のことを嫌いだって、そう言うのなら、スバルくんのいいところがこんなにあるって、レムが知ってるってことを知ってほしくなったんです」 レムがスバルを愛してるってことがすっごく伝わってきた。 こんなにも自分の事を見ていてくれて自分の好きな部分をこんなにも具体的に伝えてくれるレムさんが天使すぎるってスバルは思わないのかなあ、もうエミリアじゃなくてレムのほうがいいと思う。 レムが天使、いや神様のようだ 「 だって、スバルくんはレムの英雄なんです」 「 あの薄暗い森で、自分の事もわからなくなった世界で、ただ暴れ回ること以外が考えられなかったレムを、助けにきてくれたこと」 「 目を覚まして動けないレムを、魔法を使いすぎて疲れ切った姉様を、逃がすために囮になって魔獣に立ち向かっていってくれたこと」 「 勝ち目なんてなくて、命だって本当に危なくて、それでも生き残って……温かいまま、レムの腕の中に戻ってきてくれたこと」 「 目覚めて、微笑んで、レムが一番欲しかった言葉を、一番言ってほしかったときに、一番言ってほしかった人が言ってくれたこと」 「 レムの止まっていた時間をスバルくんが動かしてくれたみたいに、スバルくんが止まっていると思っていた時間を、今、動かすんです」 「 ここから、始めましょう。 一から……いいえ、ゼロから!」 今週のレムさんはタイミングよくハトが飛んだり話す時に後光が指していてまるで天使、いや、神様のようだ! 死に際でも言わなかった言葉「レムはスバル君を愛しています」 「 ずっと、レムの時間は止まっていたんです。 あの炎の夜に、姉様以外の全てを失ったあの夜から、レムの時間はずっと止まっていたんです」 「 止まっていた時間を、凍りついていた心を、スバルくんが甘やかに溶かして、優しく動かしてくれたんです。 あの瞬間に、あの朝に、レムがどれだけ救われたのか。 レムがどんなに嬉しかったのか、きっとスバルくんにだってわかりません」 「 だから、レムは信じています。 どんなに辛く苦しいことがあって、スバルくんが負けそうになってしまっても。 スバルくんが救ってくれたレムが、今ここにいます」 「 なにもしてこなかった空っぽの俺だ。 誰も、耳を貸してなんかくれない」 「 レムがいます。 スバルくんの言葉なら、なんだって聞きます。 聞きたいんです」 「 誰にも期待されちゃいない。 誰も俺を信じちゃいない。 ……俺は、俺が大嫌いだ」 「 レムは、スバルくんを愛しています」 レムの愛は相手を思いやり相手の笑顔を望む本当の愛って感じがする。 スバルのエミリアの隣にいたいっていう愛とはちょ~っと品質がちがう気がする。 「 スバルくんを愛しています」を聞いてちょっと思い出したのが、以前ペテルギウスにやられて死ぬ直前にスバルに言ったレムの言葉「大好き」本当はあの時も「愛している」って言いたかったんじゃないかなあ。 だけどスバルの重荷になるって感じて「大好き」に変更したのでは?とふと思いました。 レムをふるスバルは傲慢?「やっぱ俺エミリアが好き」 「 ここから、始めましょう。 一から……」 「 いいえ、ゼロから!」 「 ……レム」 「 はい」 「 俺は、エミリアが好きだ」 「 ……はい」 「 エミリアの笑顔が見たい。 エミリアの未来の手助けがしたい。 邪魔だって言われても、こないでって言われても……俺は、あの子の隣にいたいよ。 好きだから、って気持ちを免罪符にして、なんでもかんでもわかってもらおうって思うのは…傲慢だよな」 個人的にはレムの2回目の「はい」の部分が「はい?」って感じですがこれだけレムに熱いアプローチされても揺るがないスバル君がんばれ。 振ったばっかりの相手に、そんなことを頼むんですか?」 「 俺だって、一世一代のプロポーズを断られた相手に、こんなこと頼みづらいよ」 「 謹んで、お受けします。 きみが見てる。 だから、うつむかなかない。 ここから、ゼロから始めよう。 ナツキ・スバルの物語を。

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~マギへ~これは俺の心の声だ、いやマジで。

俺 の 心 の ヤバ いや つ

目が覚め、俺は前世の記憶を取り戻した。 慌ててベッドから飛び起き、鏡の前へ向かう。 「デブすぎるだろ、俺」 黒金の色が入り乱れた髪を持つ裕福そうなデブ、いや豚だ。 けど、俺はこの顔を前世から知っていた。 大人気アニメ「シューヤ・マリオネット」に出てくる嫌われ者の顔だからだ。 シューヤ・マリオネットは火魔法の才に恵まれた男爵家の少年が魔法学園に入学し、見下されながらも様々な女の子と仲良くなり、彼女達が持つ悩みや他国との争いを解決していくアニメだ。 そして、そんな主人公を見下す嫌われ者が俺だ。 公爵家の三男、豚公爵ことスロウ・デニング。 人を見下す、家柄を鼻にかける、デブ、リアルオークなど様々なヘイト要素を持ち、最終的には国を追放される男の子。 そんな悲惨な未来が豚公爵には待っている。 「やっぱりデブだなあ」 さらにはこの男、密かに思いを寄せていた従者も主人公のハーレムの一員になるという不遇っぷり。 親からも最後には橋から拾ってきた他人の子だから関係無いと言われる哀れなデブ。 「もうリアルオークだろこれ」 そんなことを思っていると、部屋の扉がコンコンとノックされた。 「スロウ様、起きていますか? 朝食をお持ちしました」 従者、シャーロット。 俺が所属するクルッシュ魔法学校の学生は朝は食堂へ朝食を食べに行かないといけないのだが、俺は家柄を存分に使って豪勢な朝食を自室で食べているのだ。 「起きてるよ。 入ってきてくれ、シャーロット」 肩まで伸びたシルバーヘアーは艶やかで。 雪の女神のように凛としているシャーロットから溢れ出る高貴さは従者という身分を超えている。 けれどそれもそうだろう。 シャーロットは秘密にしているが、実は彼女は滅亡した他国の 王女様 ( プリンセス )なのだ。 「準備致しますので少しお待ちください」 そう、このシャーロットこそが主人公に奪われてしまう従者なのだ。 しかし、アニメを見ていた視聴者からは豚公爵がシャーロットと結ばれて欲しいと思っていた人も少なく無い。 かくいう俺もその内の一人である。 「……うん」 シャーロットが公爵家であるデニング家に拾われたのは、シャーロットと豚公爵が6歳の頃に遡る。 デニング公爵領地の中の森で奴隷として売られかけていたシャーロットを豚公爵が助けたのだ。 小さい頃はシャーロットも豚公爵に対し恩義を持っていたが、帝国との戦争を境にどんどん思いは豚公爵から離れていく。 そして魔法学園二年生の冬。 アニメ版主人公に危ない場面を命からがら助けられ、シャーロットはハーレムの一員として堕ちてしまったのである。 豚公爵もシャーロットが主人公に惹かれていることに気づき、色々と頑張ったのだが時既に遅し。 やることなすこと全てが空回りに終わり、笑いものになる始末だ。 こんな最悪な豚公爵であるが、アニメ「シューヤ・マリオネット」の人気ランキングでは圧倒的な人気で一位を独走している。 その理由は三つある。 一つ目は単純にアニメ版主人公の人気が無いから。 お前にハーレムは相応しくない! といった妬みである。 大人気アニメ「シューヤ・マリオネット」に出てくる女の子達は皆可愛いのだ。 仕方ないね。 「スロウ様。 お食事の用意が出来ました。 スープは熱いかもしれないのでよくフーフーしてください」 二つ目は豚公爵の不遇ぶりから。 裏設定では豚公爵はシャーロットが滅亡した他国の王女であることを知っていたとされているのだ。 豚公爵は帝国に狙われているシャーロットを守るためにアニメの裏側で様々な国の刺客たちと日夜戦っていたのだ。 しかしその功績を誰にも告げず、美味しいところはアニメ版主人公に持っていかれる可哀想なヤツ。 さらにアニメの中では豚公爵はシャーロットへの恋心を最後まで明らかにしなかった。 嫌われ豚公爵は晩年、魔法奴隷として死ぬ間際シャーロットと呟いて死んだらしい。 そんな悲哀が視聴者に受けているのだ。 そして、豚公爵が人気のあるもう一つの理由。 それは。 「……シャーロット。 いつもありがとうぶひよ」 「え」 シャーロットは俺の言葉に心底ビックリしたようだった。 ビックリしすぎて持っていた紅茶セットを落とし、ガシャンと甲高い音が立てられた。 「ご、ごめんなさいスロウ様っ」 「いや、気にしないでくれ」 慌てて割れた破片を拾い集めようとするシャーロットが驚いて、俺を見た。 赤い絨毯の上で割れた破片がふわふわと浮き、華麗な踊りを披露している。 季節は暑い夏。 豚公爵は、いや俺は16歳。 クルッシュ魔法学園に入学して一年が立ち、既に俺の悪評は学内に留まらず他国にまで知れ渡っていた。 けれど、そんなことどうだっていい。 「シャーロット。 今更だけど……おはよう」 俺の従者、シャーロット。 いや、滅亡した皇国の お姫様 ( プリンセス )シャーロット・リリィ・ヒュージャック。 「お、おはようございます。 スロウ様」 ぺこりと頭を下げる君を目にして。 アニメの中では成し遂げられなかったけど。 俺は君に相応しい男になるよと、心の中で固く誓った。

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