東洋 経済。 「人口比感染」23区最少、江戸川区の下町モデル

ヤマトHD、「宅配便急増」でも喜べない深刻事情

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担当記者より 日本全国に小学校は約2万校。 うち、98%超は公立小学校です。 今回の特集では、私立の受験校も取り上げていますが、公立小学校によりフォーカスを当てています。 同じ「公立」でも、教育に力を入れている自治体とそうでない自治体があるため、住んでいる場所によって受けられる教育の質には差が出てくるというのは、親御さんにとって気になる情報なのではないでしょうか。 さらに特集では、東京、神奈川、千葉、埼玉について、「学区別の平均年収ランキング」を掲載しました。 1都3県内のすべての小学校区について、住民の平均世帯年収を、国勢調査など統計調査から推計したものです。 堂々の1位は東京都港区の南山小学校。 麻布十番や元麻布、六本木のエリアで、学区内に六本木ヒルズもそびえたちます。 住民の平均世帯年収は1400万円超。 それに続く上位7位までを、すべて港区内の学区が独占しています。 ランキングには合わせて、その学区の住民の大学卒業者以上の推計割合も掲載していますが、上位25学区はすべて50%を超える水準。 そして、こうした学区のある自治体は、学力調査の正答率も高く、私立中学校への進学率も高いということがわかっています。 子どもを公立小学校に通わせながらも、塾や習い事にお金をかけるような教育熱心な親がいることが容易に推測できます。 世帯年収と子どもの学力には相関があるいわれており、それが地域差となってここまで如実に現れてくることに驚きました。 4月以降も、新型コロナウイルスの影響から休校延長を余儀なくされる地域も多く、お子さんの教育面に不安を抱く親御さんが多いことでしょう。 私自身もそんな親の一人ですが、この状況が少しでも早く終息し、新しい学習指導要領の実施が始まることを期待しています。 担当記者:宇都宮 徹(うつのみや とおる) 東洋経済記者。 就職四季報プラスワン編集長。 1974年生まれ。 機械業界を担当。 『会社四季報未上場版』編集部、決算短信担当、『週刊東洋経済』編集部(連載、エンタメ、就職、大学などの編集担当)、『会社四季報プロ500』副編集長を経て、2016年4月から現職。 All Rights Reserved.

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週刊東洋経済2020年5月16日号

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オンラインで、全国から生徒が集まり、授業が展開される このプログラムは、小・中・高校生に向けた起業家教育を提供している。 そして、これこそが仁禮さんが取り組んでいる新しい教育の試みであり、彼女のたどってきた足跡をひもとくカギといっても過言ではない。 さらに興味深いことに、その目的は、起業家を育成することにはないのだという。 真の目的は、小・中・高校生が「自らの人生を切り拓く力」を育むことにあるそうだ。 いったい、どういうことなのだろう。 仁禮さんは、小学1年生で既存の教育に疑問を感じ、中学2年生にして起業。 1社目の会社を設立し、教育関連事業、学生・企業向け研修などをスタートさせた。 そして、高校1年生の時には自身の母校である湘南インターナショナルスクールを買収。 2016年には同じく教育関連事業を主体としたHand-C(現TimeLeap)を設立し、現在に至る。 そもそも、なぜ小学1年生にして、既存の教育に疑問を感じ、中学2年生で起業するに至ったのだろうか。 そのきっかけとなったのが幼稚園での教育だった。 そんな教育を受けてきました。 しかし、入学した公立の小学校では何事も先生が決めて、1つの答えだけを求めていくという教育が展開されており、例えば、道徳の授業でも教科書に載った1つの答えが正解で、自分の頭でしっかり考えることができない。 それは驚きでしたし、正直違和感が募りました」 ただ面白いことに、仁禮さんにとって、その違和感が日本の教育システムに関心を持つことにつながっていく。 その違和感を拭えなかった仁禮さんは以前、通っていた幼稚園の園長先生に直談判。 小学校をつくってほしいと掛け合い、2年生にしてその小学校に転入し、理想の教育を受けられるようになった。 しかし、今度は自ら当時の違和感の本質を見極めたいと、中学では受験をして再度日本の学校に入り直すことになる。 理想の教育で、自由に感性を伸ばした小学生時代 「私は、小学1年生で違和感を感じて、いったん日本の教育システムから離れました。 しかし、その違和感がいったいどこから来るものなのか、対峙してみないと理解することができないと思ったのです」 日本の教育を変えようと中2で起業を決意、出資元も自分で見つける 新しく入り直した中学校では、日本の教育の改善策を探るとともに、新しい教育モデルを提案しようと中学2年生の時、起業を決意する。 「社会の仕組みをもっと早く知りたいと思ったことも、起業の動機の1つでした。 起業の資金については、たまたま通っていた合気道の先生が投資家の方で、起業プランを説明し、出資してもらいました。 恵まれていますよね(笑)」 アルバイトが禁止されている学校だったので、給与にはストックオプションを取り入れるなど、仕組みづくりには腐心したそうだ。 実際始めてみると、理想と現実の壁にぶち当たることもあったが、周囲の理解や、応援してくれる仲間の輪が徐々に広がっていき、一つひとつ乗り越えていったのだという。 1社目の起業をした頃。 学生であり社会人であるという貴重な経験が自身を磨いた そして、高校1年の時には、母校である「湘南インターナショナルスクール」を買収し、経営するに至る。 「これは、健全経営のために介入するという形で友好的な買収ですね」 子どもたちには、自分の理想を語れる人になってほしい 仁禮さんはその後、2016年に2社目となるHand-C(現TimeLeap)を設立、現在は大学をいったん休学し、「TimeLeap Academy」の事業に注力している。 もともとは通学型のスクールとしてスタートしたのですが、コロナ禍を機にオンラインに切り替えたことで、全国から受講生が集まるようになりました。 申し込みが多数あった中で、現在は選抜された27名の生徒が学んでいますが、実際、子どもたちの反応もよく、これからさまざまな充実したコンテンツを提供していきたいと考えています」 そんな仁禮さんの強みは自分の理想を語ることなのだという。 「実際のビジネスでは、つねに答えのない問題ばかりに直面し、本当にこれでいいのかと苦しむこともあります。 でも、起業家の役割は自分の理想を持って、新たな社会への扉を開いていくことにあると思っています。 その意味でも、この『TimeLeap Academy』の事業を通して、日本の教育を変えていくきっかけを提供したいですし、子どもたちには、自分の理想を語れる人になってほしいと思っているのです」 日本の教育はもっと多様化すべき、すべては自己を知ることから では、仁禮さんが考える日本の教育を変えるために今必要なものとは何だろうか。 「日本の教育はもっと多様化すべきだと考えています。 そのためにも、今は教育の振り幅をどこまで広げることができるのか。 そのモデルケースをどんどん出していく時期なのではないかなと思っています。 もしモデルケースがなければ、実際にどんなことができるのかもわかりません。 国内の学校でも新たな取り組みを行っているところはたくさんありますが、学校の先生たちは授業以外にやるべき仕事があまりにも多すぎて、時間が足りません。 その解決策としては、先生たちは、本来の仕事にもっとフォーカスして、事務的な仕事を別の人がサポートするような体制を整えるべきだと思います。 または教員免許がない専門家でも授業ができるように専門家教員を増やす方法もあると思っています」 そしてさらに大きな問題点として、今の日本の教育では子どもたちが「自分がどんな人間なのか知る課程が少なすぎる」と仁禮さんは指摘する。 「幼稚園や小学校は自己発信の期間なので、大人はそれを受け止めることが大切ですが、中学校からは自分はどんな人間なのかということを、考え始める時期に入るため、それを一緒に考えてくれる大人が必要になります。 伸ばせる才能は伸ばし、足りない部分は補っていく。 それには多角的に自己を捉えることが何よりも重要になってくるのです」 これから日本の教育を、私たちが変えていく。 その強い気持ちで、仁禮さんは「TimeLeap Academy」でモデルケースをたくさんつくり、新たな教育の方法論を探っていきたいと語る。 起業家体験をきっかけに自分はどんな人間なのか、わかった状態でアウトプットできたり、そこからまた振り返りができるような人になってほしい。 学校という限られた場所だけではなく、社会も勉強の場として使ってほしい、その中で自己を探っていく。 社会を認識するためのいろんな視点を持ってほしいのです。 もし中学、高校で自分の特徴を知ることができれば、その先の進路を選ぶときに、納得できる選択肢を選ぶことができるはずです。 ピアノを習ったり水泳を習ったりするのと同じように、起業家経験を通して、実際にさまざまな課題にぶつかったり何かを成し遂げたりする過程で自己を知り、社会と接続する方法を学んでほしい。 私たちの一番の目的は起業家を輩出することではありません。 あくまで自らの人生を切り拓く力を身に付けてほしい。 そんな願いを持って今事業を行っているのです」.

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週刊東洋経済2020年8月22日号

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【特集】 AIを使いこなす人材になる 現在、コロナ禍の中で多くのビジネスパーソンが在宅勤務を余儀なくされています。 営業のために頻繁に得意先を訪問することも、品質管理のために工場に多くの人材を配置することもできない時代に突入したといえるでしょう。 そこで役立つのがAI(人工知能)。 例えば、蓄積されている顧客リストの中から成約の可能性が高い顧客を抽出する、画像認識によって良品と不良品を見分ける、といったことは、AIの得意分野。 適切なシステムをつくることによって省力化、自動化が実現できます。 ポイントは、現場のことをわかっている人材がシステムづくりを担うべきだということ。 専門家にアウトソースすればうまくいく、というものではないのです。 本特集のチュートリアルに従ってパソコンを操作すれば、文系人材であっても、いくつかのAIを活用したアプリケーションを自作できるようになります。 AI研究の第一人者である松尾豊・東京大学大学院工学系研究科教授は「リモートワークで在宅勤務をしている今こそAIを学ぶチャンスだ」とアドバイスしています。 今こそアフターコロナ時代に求められる最強スキルを体得し、「AIを使いこなす人材」を目指しましょう。 【巻頭リポート】「コロナ制圧戦」で善戦 韓国・台湾の舞台裏 相対的に感染が抑制されている韓国や台湾の対応が世界から称賛されています。 迅速で広範囲な検査態勢、医療の専門知識を持った政治家の活躍など、SARS、MERSの苦い経験が生きました。 日本が学ぶべき点も多々あります。 担当記者より 企業はリモートワークを余儀なくされ、さまざまな場面でデジタル化の必要性が指摘されることとなりました。 システムがクラウド化されていないので社外からアクセスできない。 契約書の押印が必要だったり、請求書が紙で会社に送られてきたりするので、出社しないといけない……。 これまでなんとなく見過ごされてきた課題が、強く浮き彫りになっています。 「AI」という言葉が身近になるにつれ、多くの企業が「とりあえずAIで何かできないか」と考えるようになりましたが、実はその前にやるべきことはたくさんあるようです。 日頃の業務がデジタル化されていなければ、情報はインクで印刷された紙や担当者の頭の中にしか残らず、データが貯まりません。 データはAIの肝です。 学習させるデータがなければ、スタート地点にも立てません。 社内にITがわかる人材がいない企業も少なくありません。 それはシステム構築をベンダーに丸投げしてきた結果で、IT投資が増えても実は企業の生産性は上がっていないことが指摘されています。 こうした相談は、今回の特集でインタビューをした東京大学の松尾豊教授の元にも日々寄せられているそうです。 でも、松尾教授は嘆いていました。 「経営者も社員も勉強をしていないのがいちばんの問題。 いまだに何の知識もないまま相談に訪れる方のなんと多いことか」。 実はアマゾンやグーグルのクラウドには、従量課金で気軽に試せるAIツールがいくつもあります。 実際に触れて「ここにAIが使えそうだ」という勘所がわかれば、その先のプロジェクトもスムーズに立ち上がりそうです。 在宅勤務で通勤時間がなくなった分、AIの勉強に充ててみるのはいかがでしょうか。 松尾教授は「多くの人は業務が忙しくて勉強する時間がない」と言いますが、もうその言い訳は通用しません。 「日本のデジタルトランスフォーメーションはコロナによって進むだろう」。 複数のIT企業の幹部は、口をそろえてこう話します。 きっかけが何であれ、この流れを止める理由はもうどこにもありません。 担当記者:中川 雅博(なかがわ まさひろ) 東洋経済記者。 神奈川県生まれ。 東京外国語大学外国語学部英語専攻卒。 在学中にアメリカ・カリフォルニア大学サンディエゴ校に留学。 2012年、東洋経済新報社入社。 担当領域はIT・ネット、広告、スタートアップ。 グーグルやアマゾン、マイクロソフトなど海外企業も取材。 これまでの担当業界は航空、自動車、ロボット、工作機械など。 長めの休暇が取れるたびに、友人が住む海外の国を旅するのが趣味。 宇多田ヒカルの音楽をこよなく愛する。

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