脂肪酸 用途。 大日化学工業株式会社

植物油脂一覧表

脂肪酸 用途

8 1. 6 0. 9 不飽和モノアマイド 不飽和モノアミド ダイヤミッドO-200 9. 9 11. 3 11. 6 置換アマイド 置換アミド ニッカアマイドSO1 6. 8 1. 8 1. 8 メチロールアマイド メチロールアミド メチロールアマイド 0. 2 0. 4 0. 2 飽和ビスアマイド 飽和ビスアミド スリパックスE 0. 06 0. 32 0. 07 不飽和ビスアマイド 不飽和ビスアミド スリパックスO 3. 3 3. 2 1. 水分散脂肪酸アマイド類.

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油化事業 製品情報 脂肪酸誘導体 | 日油株式会社

脂肪酸 用途

分類 [ ] 脂肪酸 fatty acid は主に炭素数およびの有無によって分類される。 炭素数による分類 [ ] 脂肪酸の炭素数が6以下のものを SCFA、Short-chain fatty acid 、8—10のものを中鎖脂肪酸 MCFA、Medium-chain fatty acid 、12以上のものを長鎖脂肪酸 LCFA、Long-chain fatty acid という。 なお10以上のものを高級脂肪酸とするものもある。 不飽和度による分類 [ ] による分類はさまざまであるが、基本的には以下の分類に従う。 saturated fatty acid, SFA — 炭素鎖に単結合のみ有する(飽和である)• unsaturated fatty acid, UFA — 炭素鎖に二重結合、三重結合を有する また不飽和脂肪酸は二重結合の数が1つであるか、複数であるかによって以下の分類がなされる。 モノエン脂肪酸(一価不飽和脂肪酸、monounsaturated fatty acid, MUFA) — 二重結合の数が1つである• ポリエン脂肪酸(多価不飽和脂肪酸、polyunsaturated fatty acid, PUFA)— 二重結合の数が2つ以上である。 二重結合の数が4つ以上のものを高度不飽和脂肪酸と呼ぶ場合もある。 また、二重結合の有無および炭素数の差異によって名称が異なる。 にて述べる。 幾何異性体による分類 [ ] 不飽和脂肪酸は、にcis型とtrans型があり、近年trans型のものをとして区別することがある。 その他の分類 [ ] その他の分類には以下のようなものがある。 分枝脂肪酸 — 分枝鎖を有する脂肪酸• 環状脂肪酸 — 環状構造を有する• ヒドロキシル脂肪酸 — を含む• 奇数炭素脂肪酸 — 偶数炭素脂肪酸と比較して酸化効率が低い• 偶数炭素脂肪酸 — 奇数炭素脂肪酸と比較して酸化効率が高い 命名法 [ ] 脂肪酸の命名法はIUPAC生化学命名法 に定義されている。 (尚、この項の符号Rule Lip-…は同命名法の節番号を示す) 脂肪酸は天然のをして得られる脂肪族モノカルボン酸である。 広く使用されている遊離脂肪酸 free fatty acids や非エステル化脂肪酸 nonesterified fatty acids という語が使用されているが、遊離や非エステル化という修飾語は徐々に廃止すべきである Rule Lip-1. また、これらのである FFAや NEFAなどは使用すべきではない Rule Lip-1. 言い換えると、厳密には炭素数が3以下など天然の脂肪に含まれないものは脂肪族モノカルボン酸と呼ぶべきであるが総称として脂肪酸と呼ばれる。 尚、脂肪酸基を アシル 基 という語で示す場合があるが、アシル(acyl)はIUPAC有機化合物命名法によるものである。 アシルは任意の長さの直鎖構造を持つがIUPAC生化学命名法の脂肪酸は炭素数が4以上のものを指す。 Rule Lip-1. 2 脂肪酸とそのアシル基の命名はIUPAC有機化合物命名法(Rule C-4)に従うまた許容慣用名や略号については下の表に示す。 しかし、二重結合の位置を示すさいに接頭辞としてギリシャ文字を使う方法は位置を列挙する方法の省略形として使用しても良い Rule Lip-1. アシル基の場合は(stearyl-の代わりに) 18:0 acyl-と表しても良い Rule Lip-1. 脂肪酸末端(から最も離れた位置)から同じ位置に二重結合を持つことを示す場合は 例、末端から9番目に二重結合を持つ脂肪酸グループの場合 は n-9と示す nは具体的には当該脂肪酸の炭素数を意味する。 脂肪酸の命名例 Rule Lip. 2 14:0 - CH 2 12- テトラデカン酸 Myr 53. 9 15:0 - CH 2 13- ペンタデカン酸 16:0 - CH 2 14- ヘキサデカン酸 Pam 63. 5 17:0 - CH 2 15- ヘプタデカン酸 18:0 - CH 2 16- オクタデカン酸 Ste 69. 5 22:0 - CH 2 20- ドコサン酸 Beh 81. 5 24:0 - CH 2 22- テトラコサン酸 Lig 86. 化学的性質 [ ] 炭素数10以上の飽和脂肪酸の融点は鎖長の順に高くなり炭素数30の トリアコンタン酸の融点は 93. 炭素数2の酢酸では 16. 生化学 [ ] 脂肪酸はを受ける際に炭素数が2個ずつ増加していくため、基本的には炭素数が偶数個の脂肪酸が大半を占めるが、を受けることによって炭素数が奇数個の脂肪酸が合成されることもある。 を含む多くの生体内ではエネルギー源として好気的にされる()。 は体内においてはほとんどが細胞に存在しており、筋肉細胞内において脂肪酸を内部に運搬する役割を担う。 はアシルCoAを直接透過しないため、カルニチンが脂肪酸運搬体の役割を果たす(動植物共通)。 脂肪酸アシルCoAはカルニチンと一時的に結合し、脂肪酸アシルカルニチンを生成する。 この反応はに埋め込まれたカルニチンアシルトランスフェラーゼI carnitine acyltransferase I により触媒される。 を対象とした動物実験において、ある種の脂肪酸には腫瘍細胞の脂肪代謝を阻害することにより抗がん効果がある事例が複数報告されている。 奇数炭素脂肪酸は、偶数炭素脂肪酸と比較して酸化効率が低いため、白血病患者の骨髄に含まれるがん細胞のエネルギー源である脂肪酸の代謝を阻害する効果がある事が判明しており、がん阻害剤としての効果が期待される。 飽和脂肪酸 [ ] 複脂肪酸生合成系 クリックで拡大・解説 は(炭素数2)を出発物質として、ここにマロニルCoA(炭素数3)が脱炭酸的に結合していく経路である。 すなわち、炭素数2個ずつ反応サイクルごとに増加し、任意の炭素鎖を持った脂肪酸が作成されることとなる。 また、脂肪酸生合成反応が起きるにはは用いられず、 ACP にが結合したアセチルACPおよびマロニルACPが実際の反応をになうこととなる。 以下に反応系を示す。 の反応は4. の反応と同じである。 このように炭素数2個ずつの脂肪酸炭素鎖の伸長が行なわれる。 これはC 16アシル化合物ができあがるまで続けられ、最終的にによってとACPにされる。 なお、上記の反応を触媒する酵素は以下の通りである。 アセチルCoAカルボキシラーゼ• アセチルトランスフェラーゼ• マロニルトランスフェラーゼ• 3-ケトアシルシンターゼ• 3-ケトアシルレダクターゼ• 3-ヒドロキシアシルデヒドラターゼ• エノイルレダクターゼ• 3-ケトアシルシンターゼ 飽和脂肪酸を取り過ぎると、カロリー不足でない限り血清総濃度を上昇させ、を起こしやすくすると言われている。 不飽和脂肪酸 [ ] 詳細は「」を参照 はエネルギー代謝に重要な役割を果たすが、の役割はそれとは異なる。 1930年代の動物実験により不飽和脂肪酸を欠くことで、皮膚障害、不妊などが引き起こされることからG. BurrあるいはH. Evansにより、などが摂取することが必須のである(ビタミンF)であることが示された。 畜産動物の肉に割合多く含まれる飽和脂肪酸は、必須栄養素ではなく、などでも病気との関連が示され、多くの摂取は推奨されていない。 その後も類の原料や新生児・乳児の中枢神経系の発育の為に必須であることが示された。 一価不飽和脂肪酸 [ ] 単価不飽和脂肪酸。 16:0のパルミチン酸は、長鎖脂肪酸伸長酵素により、18:0のに伸張される。 このためとはともにとなっている。 このようにヒトを含めた多くのは体内でを原料としてEPAやDHAを生産することができる。 は流動性を持ち、脂質や膜タンパクは動いている。 この流動性は膜の構成物質で決まる。 たとえば、を構成する脂肪酸の不飽和度(二重結合の数)に影響され、二重結合を持つ炭化水素が多いほど(二重結合があるとその部分で炭化水素が折れ曲がるので)リン脂質の相互作用が低くなり流動性は増すことになる。 例えばDHAは不飽和度が極めて高く細胞膜の流動性の保持に寄与している。 神経細胞は、軸索や樹状突起などの凹凸の多い入り組んだ構造を有しているため、膜成分が極端に多くなっている。 DHAはや、のに含まれる脂肪酸の主要な成分である。 トランス脂肪酸 [ ] トランス脂肪酸(上)とシス脂肪酸(下) は、構造中にのを持つ。 トランス脂肪酸は、天然のにはほとんど含まれず、を付加して硬化したを製造する過程で発生するため、それを原料とする、、などに含まれる。 多量に摂取すると(悪玉コレステロール)を増加させのを高めるといわれ、以降、トランス脂肪酸を含む製品の使用を規制する国が増えている。 やなどから得られる天然の不飽和脂肪酸の場合、ほとんどすべての二重結合はをとり、折れ曲がった構造をもつ。 一方、によるが起こりやすいという面で扱いにくい不飽和脂肪酸から、酸化による劣化が起こりにくく扱いやすいを製造するためにを添加(水添)しさせると、飽和脂肪酸にならなかった一部の不飽和脂肪酸のシス型結合がトランス型に変化し(し)、直線状の構造を持つようになる。 このような不飽和脂肪酸をトランス脂肪酸という。 遊離脂肪酸 [ ] 脂肪酸の生合成は、主にの縮合による。 この酵素は、2つの炭素原子グループを付加するので、ほとんどすべての天然の脂肪酸は偶数の炭素原子数を有することになる。 生物における他の化合物と結合していない脂肪酸あるいは遊離脂肪酸は、の分解に由来する。 遊離脂肪酸は水に不溶であるため、これらの脂肪酸はに結合して、可溶化、循環輸送されている。 血中の遊離脂肪酸の濃度は、アルブミン結合部位の有無の状況によって制限される。 遊離脂肪酸は、 LPL によってから「放出され」て、に入る。 そこで、それは、とともにされることによって、へと再構成される。 脂肪細胞には、トリグリセリド維持における重要な生理的役割と耐性と遊離脂肪酸水準を決定する役割がある。 脚注 [ ]• 教材 更新日2008年11月13日• 磯田好弘, 西沢幸雄, 山口茂彦 ほか、「」 『油化学』 1993年 42巻 11号 p. 923-928, 日本油化学会• 五十嵐美樹, 宮澤陽夫、「」 『化学と生物』 2000年 38巻 8号 p. 529-531, :, 日本農芸化学会• 北浦靖之、「」• Tabe, Yoko, et al. "" Scientific reports 8. 1 2018 : 16837. 2 Recommendations for preventing excess weight gain and obesity, , pp. 『世界大百科事典』、必須脂肪酸、平凡社、1998年• 、 外部リンク [ ]•

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脂肪酸 用途

有機酸または無機酸とアルコール(またはフェノール)が1分子の水を失って縮合した形の化合物の総称。 エステルは、母体となる酸の名前を前にして、アルコールのヒドロキシ基を取り除いた部分のアルキル基名をそれに続けて記すことにより命名される。 たとえばCH 3COOC 2H 5は酢酸+エチル(基)で「酢酸エチル」、PO OCH 2CH 2CH 2CH 3 3はリン酸+三つ(トリ)のブチル(基)で「リン酸トリメチル」と命名する。 エステルは のように酸の種類によって分類することができるほか、アルコールのエステルかフェノールのエステルかによっても区別される。 したがってエステルの種類は非常に多い。 なお塩酸HClや臭化水素酸HBrのエステルにあたる化合物はハロゲン化アルキル(RX。 Xはハロゲン、すなわちフッ素F、塩素Cl、臭素Br、ヨウ素I)とよばれていて、普通はエステルには含めない。 単にエステルという場合には、狭い意味でカルボキシ基(カルボキシル基)-COOHをもつ有機化合物であるカルボン酸のエステルのみをさす場合が多い。 また、酸が多塩基酸である場合には、酸性水素の一部だけがエステルになった酸性エステルと、すべての酸性水素がエステルになった中性エステルとがある。 [廣田 穰・末沢裕子] カルボン酸エステルカルボン酸のカルボキシ基とアルコールまたはフェノールのヒドロキシ基-OHが1分子の水を失って縮合した形の化合物である。 アルコールのエステルは、カルボン酸とアルコールを硫酸などの強酸の存在下において脱水縮合させてつくることができる。 たとえば、酢酸エチルは酢酸とエタノール(エチルアルコール)から次の反応でつくることができる。 カルボン酸やアルコールは天然にはエステルの形で存在する場合が多い。 比較的分子量が小さい炭素数の少ない低級カルボン酸エステルは、一般に芳香をもっていて植物の精油中の芳香成分として知られている。 また高級脂肪酸のグリセリンエステルは油脂や脂肪の成分として広く動植物体内に含まれていて、グリセリドとよばれている。 [廣田 穰・末沢裕子] 製法エステルを合成する反応をエステル化とよんでいる。 普通のアルコールとカルボン酸からエステルをつくるには、カルボン酸の量に比べてかなり多い量のアルコールをカルボン酸と混ぜて、これに少量の硫酸を加えるか、または塩化水素を吹き込み加熱する。 フェノールのエステルは、カルボン酸とフェノールの反応では得られず、カルボン酸無水物またはカルボン酸塩化物とフェノールとを反応させると得られる。 [廣田 穰・末沢裕子] 性質中性エステルは、一般に芳香のある液体で、炭素数の少ない低級のものは揮発性が大きい。 水には溶けにくいが、アルコール、アセトンなどの有機溶媒によく溶ける。 炭素数の多い高級カルボン酸や高級アルコールのエステルは固体である。 エステルの沸点は、カルボン酸部分が同じであればアルコールのアルキル鎖が長くなるにしたがって高くなり、アルコール部分が同じであればカルボン酸の鎖が長くなるにしたがって高くなる。 エステルの反応としてもっとも重要なのは加水分解である。 この反応はエステル化の逆反応で、エステルからカルボン酸とアルコールとを生成する。 エステル化と同じように硫酸、塩酸などの強酸を触媒としても進行するが、水酸化ナトリウムなどの塩基を反応させるほうが反応は速く進む。 水酸化ナトリウム水溶液での加水分解では、カルボン酸のナトリウム塩ができるので、カルボン酸を得るには塩酸などを加えて酸性にする。 さらにエステルとアンモニアとの反応によりアミドを生成するアンモノリシス反応も知られている。 Rは炭化水素基である。 この反応の例を示すと、次のようになる。 ここまで主として一塩基酸(モノカルボン酸)と一価アルコールのエステルについて述べてきたが、多塩基酸や多価アルコールのエステルも数多く知られている。 これらのうちで、三価アルコールであるグリセリン(グリセロール)と高級脂肪酸のエステルは脂肪および油脂の成分として広く動植物界に分布しているので重要である。 また「テトロン」などの商標名で市販されている合成繊維も、二塩基酸であるテレフタル酸と二価アルコールであるエチレングリコールがエステルとなって鎖状に連なった構造で、ポリエステル繊維とよばれている。 分子内にアルコールのヒドロキシ基とカルボキシ基の両方をもつヒドロキシ酸では、両方の置換基が適当な位置にあると、分子内でエステル化をおこして環状のエステルをつくる。 このような分子内環状エステルをラクトンという。 ラクトンはヒドロキシ基がカルボキシ基の炭素から数えて4番目の炭素上にあるカルボン酸の場合にもっとも生成しやすい。 [廣田 穰・末沢裕子] 用途工業上での用途をもつエステルとしては、先に述べた油脂のほかに香料として食品、化粧品、せっけんなどに添加されているエステル、さらにはポリエステル繊維、ポリエステル樹脂がある。 このほかに合成樹脂の原料となる酢酸ビニル、メタクリル酸メチルなどの単量体、可塑剤となるフタル酸エステル、溶剤として使われる酢酸エチル、酢酸アミルなどの低級エステルをあげることができる。 [廣田 穰・末沢裕子] 風味エステルの一部は香料として加工食品や菓子作りに用いられる。 また、天然にはバナナ、リンゴなど多くの果物の芳香成分として存在し、風味の大きな役目をもつ。 しょうゆ、酒などの醸造品にも芳香成分として含まれ、料理の風味づけに役だつ。 エステルは蒸発しやすく、加熱調理の際、蒸発し、香りが失われやすい( )。 [河野友美・山口米子] 無機酸エステル「エステル」という用語は、狭い意味ではカルボン酸エステルをさすことが多いが、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸もアルコールやフェノールとエステルをつくる。 これらの無機酸のエステルは、カルボン酸エステルなどの有機酸エステルに対して、無機酸エステルと総称される。 硫酸は二塩基酸であるので、水素が一つだけアルキル基で置換され、まだ酸性の水素が残っている酸性エステルRSO 4Hと、水素が2原子ともアルキル基で置換された中性エステルR 2SO 4とがある。 中性エステルである硫酸ジアルキルは硫酸とアルコールとの反応では少量しか生成しない。 したがって、硫酸エステルを合成するには塩化スルフリルSO 2Cl 2とナトリウムアルコキシド(たとえばC 2H 5ONa)との反応を用いるほうがよい。 工業的には、硫酸をアルケンに付加させてつくっている。 硫酸ジメチルは CH 3 2SO 4の式で表される無色の重い液体で、メチル化剤として重要である。 この化合物はきわめて有毒であり、皮膚につけると壊死 えし をおこし、死に至ることがある。 硫酸ジエチル C 2H 5 2SO 4は硫酸ジメチルに似た無色の液体で、エチル化剤として用いられている。 硫酸にエタノールまたはエチレンを溶かすと、液が冷たい場合には、溶かしたエタノールの大部分が酸性エステルの硫酸水素エチル(エチル硫酸ともいう、化学式はHOSO 2OC 2H 5)として存在する。 硫酸水素エチルなどの酸性硫酸エステルもアルキル化剤としての作用をもつが、これらを純粋に分け取るのはむずかしい。 2 リン酸エステル リン酸H 3PO 4とアルコールとのエステルであり、硫酸の場合と同じように酸の水素が残っている酸性エステルと酸の水素がすべてアルキル基になった中性エステルとがある(リン酸は三塩基酸)。 糖のリン酸エステルは生物学的にも重要であり、糖の代謝や多糖類の生合成に関与している。 RNA(リボ核酸)やDNA(デオキシリボ核酸)はリボースやデオキシリボースのリン酸エステルが核酸塩基と結合した化学構造をもっている。 とくに、核酸塩基アデニンと糖とリン酸が結合しているアデノシン三リン酸(ATP)はエネルギーが高く活性なリン酸エステル結合をもっていて、動物の筋肉収縮など生物体内のエネルギー源となっている。 工業的に重要なリン酸エステルとしてリン酸トリブチル[CH 3 CH 2 3O] 3PO(略称TBP)とリン酸トリクレシル CH 3C 6H 4O 3PO(略称TCP)をあげることができる。 リン酸トリブチルはナトリウムブトキシドと塩化ホスホリルPOCl 3との反応によりつくられ核燃料ウランの精製や核燃料処理の際の抽出溶媒としての用途をもっている。 リン酸トリクレシルはポリ塩化ビニルなどの可塑剤として使われている。 リン酸およびチオリン酸エステルには「有機リン殺虫剤」とよばれて農薬として使われていたものも多かったが、毒性が大きいため、その一部は使用禁止になっている。 3 硝酸エステル 硝酸HNO 3とアルコールのエステルであり、硝酸とアルコールとから1分子の水がとれて縮合して生成する。 加熱したり衝撃を与えたりすると爆発をおこすものが多く、とくに多価アルコールであるグリコール、グリセリン、セルロースなどの硝酸エステルは爆発力が強いので爆薬として用いられている。 硝酸メチルCH 3ONO 2は無色の液体で、爆薬やロケット用燃料としてドイツで使われたが、蒸気圧が高い欠点がある。 硝酸エチルは沸点87. 5~87. 4 そのほかのエステル これまで述べたもの以外にも取り上げるべき重要な化合物が二、三ある。 その一つは炭酸エステルである。 炭酸エステルで重要なものは、炭酸エチレンCO OCH 2 2で高分子化合物の溶剤や実験室で炭酸エステルをつくる原料としての用途をもっている。 また、炭酸グアヤコールは白色の結晶で殺菌剤、去痰 きょたん 剤として医薬の用途をもっている。 また、カルバミン酸H 2NCOOHのエステルであるカルバミン酸エステルH 2NCOORは、別名ウレタンとよばれ、エチルエステル(カルバミン酸エチルH 2NCO 2CH 3CH 2)は催眠作用がある。 合成繊維や合成ゴムなどに使われるポリウレタンは置換カルバミン酸エステル構造が鎖状に連なって高分子になっている。 亜硝酸エチルCH 3CH 2ONOはエタノールに亜硝酸ナトリウム水溶液と硫酸とを反応させると得られる黄色の液体で血管拡張薬として用いられる。 亜硝酸イソアミル CH 3 2CHCH 2CH 2ONOも同様の方法で合成できる淡黄色の液体で、やはり血管拡張薬として狭心症などに用いられるほか、ニトロソ化合物やオキシムを合成する際のニトロソ化剤としての用途をもつ。 [廣田 穰・末沢裕子] 『小竹無二雄監修『大有機化学4 脂肪族化合物3』(1959・朝倉書店)』 有機酸または無機オキソ酸とアルコールから水を失って生成したと考えられる化合物の総称.酸の水素原子をアルキル基で置換したものに相当する.二塩基酸以上の酸のエステルには,中性エステルと酸性エステル たとえば,硫酸エステルのR 2SO 4とRHSO 4 があり,二価以上のアルコールには,ヒドロキシ基がすべてエステル化したものと,一部がアルコールとして残っているもの たとえば,のエステルC 2H 4 OCOR 2と,RCOOC 2H 4OHがある.単にエステルといえば,カルボン酸エステルをさすことが多い.分子内エステルはという.カルボン酸やアルコールは,しばしばエステルとして天然に存在する.多くの植物精油成分,ろう,油脂,脂肪などはそれである.エステルは直接に酸とアルコールとの反応によって生成するが,ハロゲン化アルキルと有機酸の塩,酸塩化物とアルコールまたはアルコキシド,カルボン酸とジアゾメタンなどからもつくられる.は,一般に芳香のある揮発性の液体で,水に難溶,有機溶媒に易溶であり,人工果実エッセンスとして使用される.高級の酸やアルコールのエステルは固体であり,動物の脂肪や植物油中に存在する.酸性エステルは,一般に難揮発性で,水に溶けて酸性を示し,塩基と塩をつくる.エステルは加水分解によって酸とアルコールを生成し けん化 ,アンモニアと反応してを,水素化アルミニウムリチウムで還元すると第一級アルコールを生成する. 出典 森北出版「化学辞典(第2版)」 化学辞典 第2版について.

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